集合住宅用ポスト・集合ポストとは


集合住宅用ポスト・集合ポストとは


集合ポストを設置する目的

集合ポスト

集合ポストとは、マンションやアパートなどの集合住宅に設置されている集合型の郵便受けです。
一戸建て住宅などでは一軒ごとに個別に専用の郵便受けが設けられていますが、集合住宅の場合、配達員が郵便を運ぶために上階まで移動する労力を削減するためにエントランス付近に各戸の郵便受けがまとめて設置されており、まとめて設置された郵便受けのことを集合ポストと呼びます。

一回にまとめて郵便受けをを設置することによって、手紙を配達する配達人はいちいち上階に移動せずに済むようになります。
配達にかかる労力が大幅に削減されるため、集めて設置されていると郵便の配達効率が格段に向上します。
利用する住民側にもメリットが存在します。
もし一回に郵便受けが設置されていない場合、郵便物の宅配ごとに配達人が集合住宅内に入ってくることになります。
たとえ郵便配達人が信頼できる人物であったとしても、住人以外の人間が集合住宅内に出入りすることは治安上のリスクが伴ってしまいます。
配達人に変装した不審者が入り込んでくる可能性もありますし、部外者が出入りしやすい環境になってしまう可能性もありますから、無関係の人間を立ち入らせないという意味でも利用者にとっても大きなメリットがある設備です。

マンションポストの設置は郵便法によって定められており、3階以上の建物であれば設置が義務付けられている集合住宅設備となっています。

最近の郵便ポスト

集合ポストには、アパートなどの集合住宅用ポストやマンションポストなどがあります。
アパートやマンションなどの集合住宅では、一戸づつ備えられたドアポストがある場合もあります。
集合ポストはアパートやマンションの1階部分にある場合が多く、オートロックのマンションの場合には、1階部分の共用部分にマンションポストが設置されています。

また、集合ポストには郵便物の盗難などを防ぐために、ステンレス製でカギが付いてることが多いです。
最近ではダイヤル式のカギが主流で、南京錠でカギをしている集合住宅は少なくなってきています。
集合ポストは、郵便物を投函するために数センチの隙間がありますが、盗難などを防止するために人の手が入らないように設計されていることが多いです。

集合住宅用ポストは、郵便物や新聞を配達する配達員にとっては、とても便利なものです。
集合住宅用ポストが無ければ、集合住宅の一戸づつ配達しなければならないので非常に手間がかかります。
マンションポストの種類も多種多様になっていて、マンションに設置されているマンションポストの中には、ポストの前と後ろの双方から開けられるタイプの物もあります。
最近ではオートロックのマンションが増えているため、オートロックを解錠しなくても郵便物を取り出せるため便利です。

集合ポスト

集合ポストを設置する義務に関して

集合ポスト

集合住宅の入り口付近に設置される住民全員分の集合ポストですが、なぜこのような形でポストを設置するのでしょうか。
主な設置目的は、配達作業員の負担軽減です。設置基準に関しては郵便法によって法律的に定められています。
(高層建築物に係る郵便受箱の設置) 第43条 階数が3以上であり、かつ、その全部又は一部を住宅、事務所又は事業所の用に供する建築物で総務省令で定めるものには、総務省令の定めるところにより、その建築物の出入口又はその付近に郵便受箱を設置するものとする。

上記のように郵便法に定められた基準に該当する建築物に関しては、法律にしたがって集合ポストを設置しなくてはいけません。
各戸に配達すると時間も労力も余計に必要になってしまいますから、建物の入り口付近でまとめて配達できるようにしておくことで配達員の負担を軽減し、効率よく配達業務が進められます。

もう一つの目的は、建物の治安向上です。
もし集合ポストが設置されていなければ、配達員は各戸に個別に配達するために建物の中に入ってくる必要があります。
正式な配達員が建物内に入ってくる分には問題ありませんが、配達員を装った不審者が建物の内部に侵入してしまう可能性があります。

建物の中に入ってくるのは住民とその関係者だけというように制限するためには、ポストを個別に設けるのではなく集合的に設置して、配達業務で内部に入らなくて済むようにする必要があります。

集合住宅用ポストを設置しておくことで配達作業員が内部に入らなくてもよい状況を作り出し、外部の人間の侵入を制限することが可能になるのです。